アシスタント・プロフェッサー in アメリカ

2018年からアメリカでアシスタント・プロフェッサーとして働き始めました。主に研究経過を記録として残していこうと思います。

2023年最初で最後の投稿?

久しぶりの投稿になりましたが、クビになったわけではなく、大学業務をこなしながら細々と研究もしてました。

実は2021年に論文を出して以来、共同研究の論文を2ヶ月前に出すまで一本も出版していなかった。。。その間グラントに力を入れてました、というのは言い訳に過ぎないけど、他のR1(研究大学)の研究者とちょこちょこグラントの申請書を作成してました。早く外部のグラント一本ぐらい取らないと!

2024年は生産性をあげるべく、このブログも利用しつつやっていきたいと思います。

大学教員の就労ビザ(H-1Bビザ)

アメリカの大学教員の就労ビザ(H-1B)は採用されれば、ほぼ間違いなくアメリカの移民局(USCIS)から発行され、アメリカで働くことができる。確かH-1Bは年間の発行できる上限を超えると抽選になる(また申請期限もあり、それを過ぎると来年まで待たないといけない?)はずだけど、アカデミアなどの特定の職種ではそのルールは適応されず、いつ申請してもよい。H-1Bには3年間の期限があり、通常一度限り更新することができるので、合計6年は大学から首にされない限り働くことができる(ただ永住権申請中だったら、6年以上働くことができるかも?)。

そして、最近(というか2021年からですが。。。)まさにその更新の真っ只中でした。基本的に就労ビザに必要な書類やお金はすべて大学が用意してくれるので心配ないけど、配偶者や子どもがいる場合、その書類は自分で用意しないといけないので、責任重大。そして配偶者などのビザ(H4)に関わるお金は自腹。そして、やっかいなことに丁度、更新の時期(2021年)にトランプ政権中に決めた、H4ビザでの更新時にはbiometrics(指紋などを取るプロセス)が必要というルールを、2021年6月中旬にバイデン政権がそれを廃止するみたいな情報が出て、ただ更新の書類を送ったのが2021年の5月下旬だったのでbiometricsの手数料込でチェックを送ったら、USCISからbiometricsのお金は必要ないから正しい金額のチェックを送りなおせときた。正直もうその時間がもったいないので(更新のプロセスが遅くなる)、そのお金はあげると思ったけど、そうもいかず、overnightの郵便で送りなおした。そして、その一週間後ぐらいに銀行口座からチェックの引き落としがあった。就労ビザの有効期限が2021年8月までだったので、かなりヒヤヒヤ。。

 

USCISのサイトから、ステータスを確認できるけど、結局ずっと受け取りました、という状態から変化はなかった。ただ仮にビザ更新の承認が遅れても、ビザが切れる前に大学側がUSCISに申請書類を送ったので、240日は働き続けることは可能とのこと(つまり2022年4月ぐらいまでは大丈夫)。ただ、これとは別の問題もあり、運転免許証の有効期限もこのH-1Bの期限に合わされているので、H-1Bが予定通り2021年8月までに承認されないと、免許証の期限(H-1Bと同じく2021年8月まで)が切れてしまう。

 

ただ、そんな祈りも通じず結局待つこと9ヶ月、今年の2月中旬にアクセプトされた。免許はどうしたかというと、一応ビザが切れてから240日間は合法で働けるということで、2022年の8月(そこはなぜか4月ではなく)まで更新できました。今回無事に更新されたH-1Bの期限は2024年8月までなので、次の免許更新では同じ時期ぐらいまで更新されるはず。一応余裕をもって(いや、すべてギリギリなのか?)更新できるはずなので、少し安心。もう車がないと生活できない。。

 

 

 

Faculty Search CommitteeのChairになって

二`、三ヶ月ぐらい前に学科長からSearch CommitteeのChairをして欲しいと頼まれ、内心めんどくさいなーと思いながらも、引き受けて最近採用する人が決まりました。その中でいくつか感じたことがあったので、紹介したいと思います。

 

今年4月にも、同じテーマでブログかいたので、今回はそれ以外の点で書いてみました。

aimhigh20190212.hatenablog.com

 

まず今回の応募はアシスタントまたはアソシエイト・プロフェッサーのポジションだったので、幅広い経歴を持っている人からの応募があった。来年PhDを取得する大学院生、すでに他の大学でアシスタント・プロフェッサーまたは、アソシエイト・プロフェッサーとして働いている人からの出願があった。今いる大学はティーチングもできないといけないので、まだ教える経験の浅い大学院生は少し不利になりがちだった(特に院生によってはまだ自分のクラスを持ったことがなかったりする(TAの経験のみ))。だから、もし将来R1の大学以外にも働きたいと思っている院生がいたら、自分のクラスを持てないか、学科に聞いてみたほうがいい。その経験があるだけで大分違う。

 

また、ここ数年重要視されてきたのが、Diversity, Equity, and Inclusion (DEI)。自分なりにどのようにDEIをティーチング、研究、またはサービズに取り入れているか説明できるようにしたほうがいい。大学によっては、DEIのstatementを提出させるところもあるみたい。うちはしなかったけど、面接では聞いた。

 

これは当たり前だけど、二次面接のteaching demonstrationやresearch presentation(いわゆるjob talk)は準備が大切。過去には、どこかの学会で発表したポスター数枚をそのまま使った人もいたけど、個人的にはもう少し準備してきてほしい。特にすべての面接はZoomで行ったので、ポスターを全画面表示されると、細かいところが見えない。なので、もう少し考えてから準備してほしい。院生の時から、こういった教授職の面接にくるアプリカントのteachingまたはresearchの発表を聞く機会はあると思うので、その時からどういったプレゼンが良い・悪いかを考えて、自分のプレゼンに取り入れたほうがいい。

 

最後に、事前調査も大切。特に、committee memberの人たちの研究テーマを把握しとけば、隙間の時間に研究の話ができる。一人のアプリカントが私の研究テーマを聞いてきたけど、大学のウェブサイトに載ってるし、んー、そこは調べといてもいいんじゃないと思った。しかも、このアプリカントとは少しテーマかぶってたし。。。もちろん、これが直接合否に直結するわけではないけど、印象がね。

 

と、今回のsearch committeeを通して感じた4つの点を書いてみました。大学教員の面接は長丁場で大変だと面接者を見て改めて感じました。。

高額なお買い物

研究者の高額の買い物といえばノートパソコン!今週、新しいノートパソコンを購入しました!MicrosoftSurface Laptop Studio。これまではvaio zをかれこれ6年ぐらい使って、おそらく7年目に突入してた?vaio zは割と軽いし、接続の拡張部分も充実していて、かなりいいパソコンでしたが、どうももっさり感がぬぐえなくなり、また画面を平らにする際(フリップタイプ)ねじが数本なくなったのか劣化したのかわからないけど、カバーがパカパカするようになって、良いタイミングかと思い、新しいノートパソコンを買いました。

 

正直Microsoftのパソコンは使ったことがなくて、不安だった。当初は今年の春にかなりいいタイミングで発売された新しいvaio zにしようかと考えたけど、タッチパネルがなかったので見送りました(まぁお値段的にも。。)。やっぱりタッチパネルは重宝する。授業が対面に戻りつつあるとはいえ、Zoomなどオンラインミーティングも学生の間で普及してて、その際にタッチパネルがあるとかなり助かる。

 

vaio zでは8GBのRAMで256GBのSSDを搭載してたものを使ってたけど、今回は奮発して32GBのRAMにした。16GBでも十分じゃないかと思ったけど、また5,6年使うことを考えて32GBにした。SSDは外付けのものを使ってるので、正直512GBでもいいと思ったけど、残念ながら32GBのRAMのパソコンは1TBか2TBの選択肢しかなかったので1TBのものにした。それに加えてSurface Slim Pen 2なるものや延長保証などを購入したら3500ドル(内250ドルぐらいは税金)ぐらいになった。。。汗

 

がんばって働きます!

 

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中間テニュア審査書類、提出しました!

ついにmid-tenure reviewを出しました。長かった。。。

前にも書いたけど、ここの大学ではresearch, teaching, serviceの3つの部分で評価されます。五段階評価(1-5)でresearchかteachingでは最高評価(5)が必要で、残りの2つの部分で4以上の評価だと、一応学部的にはtenureの資格そしてassociate professorに昇格する基準を満たしたことになる。ただ、学部の評価委員会がその後、学部長(Dean)に推薦して、その後Provost, Academic Affairsを経て、学長に行き、そして、最終的に大学システムの理事会での承認が得られて、初めて正式決定となる。あと確か、Provostなどのお偉い人達の前で10から15分ぐらいのスピーチ(アピールタイム?)もあったような(それは知っとけという話ですが。。)。なので、道のりは長い。

ただmid-tenure reviewは、学部レベルまでしかいかない。なので、その上の人たちの評価は分からないけど、一応学科、学部としての評価はもらえるので、それが今後2年間の指針になる。一応今学期中にフィードバックがもらえるはず。

学部によって追加の要件があったりするので、割と直前になって準備した書類もあった。例えばここの学部では、teachingの際に、どのようにテクノロジーを取り入れるかを説明する文章などを求められた。

かなりのページ数(400ページ以上)になるので、なるべく表などを活用して、見やすくなるようにした。例えば、これまで携わった委員会などを説明するセクションでは、まずレベル別で(department, college, university)、時系列順に携わった委員会の名前やその際の役職(MemberまたはChair/Coordinatorなど)を列挙した表を作った。

 

結果がどうであれ、とりあえず終わったので、これで研究に少し戻れそう。

秋学期が始まりました

ここの大学では、先週から秋学期が始まりました。そして、それに合わせて対面の授業も再開された。ワクチンも希望者には打てる環境が整いつつあるけど(打つと100ドルもらえるインセンティブも開始された)、学生達には何の強制もできないので(ワクチンを打つことも、マスク着用も)、個人的にまだ対面のクラスは怖いと思い、少人数の博士課程のクラス以外はオンラインで教えることにした。そして、なんと初めてティーチングアシスタント(TA)がついた!院生なんだけど、色々手伝ってもらおうと思います。

研究の方は、、、相変わらず複数の共同研究を進めていて、自分の研究は完全に停滞中。ただ、博士課程の学生を1人取ったので、自分の研究もそろそろ始めないといけない。指導方法にもよるけど、博士課程の1年生は基本的に先生主導の研究に参加してもらい、経験を積んで、2~3年生になると今度は主体的に研究に取り組んでもらうのが割とよく見かけるパターン。なので、これをいい機会ととらえ、再び自分の研究を再開しようと思います!とりあえず、秋学期に論文一本を完成させたい!そして、院生と共同で新しい研究をしようかと考え中。

中間テニュア審査

8月でこの大学に勤めてから3年経過します。ということで、今年の秋にmid-tenure reviewがある!準備する書類がかなり多くあり、今年の夏はその準備で追われそう(というか、追われてる)。ここの大学では、teaching, research, serviceと重視してることもあり(アメリカの研究大学に在籍してる先生のポートフォリオをみたら、serviceという項目はなかった。それだけ、大学の業務より研究に重きを置いてる。)、それぞれの項目に対して、何をやってきたかを説明しないといけない。とはいえ、聞いた話だと、一応research, teaching, serviceの順番で大切になっているみたい。だからテニュアが欲しければ、serviceより研究をしろと言われた。

そして、COVID-19の関係で研究業績が停滞している先生が多いことから、tenure clockを一年戻す選択肢が与えられた。つまり、審査を一年遅らせることができる。ただ、それはassistantからassociate professorになるのが一年遅くなる(そして、それに準ずる昇給もない)ということでもあり、個人的に、COVID-19が研究にそこまで影響しなかったので(というか研究は遅れてるけど、COVIDとは無関係。。。)、学部長に連絡して一年の延長をなくしてもらった。こんな人はほとんどいないみたいだけど、これで通常通り6年目の秋学期に、最終の審査を行うことになりました。